農林水産業から日本を元気にする国民会議

農林水産業が日本を救う

いま日本の農林水産業と食料は危機にあります。30 年前に60%だった日本の食料自給率は40%に低下したままです。一方で、欧州の先進諸国の多くは、過去30 年間、安全保障の観点から食料自給率の引き上げに努め、ドイツが70%から100%に向上させるなど、農林水産業を収益力のある先進国型の産業に転換させることに成功しました。

農林水産業の衰退は、また、森林の荒廃や災害の増加などの環境の破壊や国土の危機にもつながります。BSE(牛海綿状脳症)や残留農薬の問題など、食の安全がクローズアップされるようになり、国民の関心を集めるようになっています。

わが国の農林水産業は、残念ながら自立した産業たり得ていない現状にあります。そのため、主な担い手が集まる地方経済は衰退し、雇用の低下を招いています。さらに、自立が困難なために保護政策に依存する傾向が強く、WTO交渉の進展が見られない現状において、FTA(自由貿易協定)交渉で遅れを取る結果となっています。


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南北に延びる日本列島は変化に富み、土と水と森林に育まれてきました。また、古来より山に木を植えたといわれるほどに、日本人は、山・森・田畑・都市・川・海の間での資源の循環を大切にし、持続可能な社会をつくってきました。現代日本のモノ作りにおける世界的成功の根底には、日本人を育んできた土壌の懐の深さを見ることができます。

いまこそ日本人、日本の国土の持つ本質を呼び起こし、その力を農林水産業に振り向けて、国の先進的産業に育てようではありませんか。これまで農業生産は生産者側の論理が強く働いてきましたが、生産者が消費者と協働して消費者の視点・ニーズを取り入れれば、生活者起点の満足度の高い食品を得ることができるようになります。農林水産業にバリュー・チェーンの考え方を導入し、技術・人材が集まり、新しいビジネスモデルが生まれることで農林水産業が元気になれば、地方が息を吹き返し、過密と過疎の問題が改善され、日本全体が動き始めるでしょう。ただし、農林水産業は、産業の一形態として捉えられるのに留まらず、国土を保全し人々の健康を育むという、競争原理の発想を当てはめるのが必ずしも適切ではない性格を併せ持っている点には配慮が必要です。美しい国土を取り戻し、自然と共生することができるようになれば、観光産業も発展するでしょう。人々の仕事、住居、学校、介護等々の選択肢も広がります。

本会議においては、以下に掲げる項目を最終目標とし、農林水産業をわが国の先進的産業に育てていくための今後取るべき方針・枠組みを示すと同時に、順次これを具体的な活動に移していきたいと考えています。