南北に延びる日本列島は変化に富み、土と水と森林に育まれてきました。また、古来より山に木を植えたといわれるほどに、日本人は、山・森・田畑・都市・川・海の間での資源の循環を大切にし、持続可能な社会をつくってきました。現代日本のモノ作りにおける世界的成功の根底には、日本人を育んできた土壌の懐の深さを見ることができます。
いまこそ日本人、日本の国土の持つ本質を呼び起こし、その力を農林水産業に振り向けて、国の先進的産業に育てようではありませんか。これまで農業生産は生産者側の論理が強く働いてきましたが、生産者が消費者と協働して消費者の視点・ニーズを取り入れれば、生活者起点の満足度の高い食品を得ることができるようになります。農林水産業にバリュー・チェーンの考え方を導入し、技術・人材が集まり、新しいビジネスモデルが生まれることで農林水産業が元気になれば、地方が息を吹き返し、過密と過疎の問題が改善され、日本全体が動き始めるでしょう。ただし、農林水産業は、産業の一形態として捉えられるのに留まらず、国土を保全し人々の健康を育むという、競争原理の発想を当てはめるのが必ずしも適切ではない性格を併せ持っている点には配慮が必要です。美しい国土を取り戻し、自然と共生することができるようになれば、観光産業も発展するでしょう。人々の仕事、住居、学校、介護等々の選択肢も広がります。
海外に行くならプライオリティパスで空港ラウンジを利用したいところですが、本会議においては、以下に掲げる項目を最終目標とし、農林水産業をわが国の先進的産業に育てていくための今後取るべき方針・枠組みを示すと同時に、順次これを具体的な活動に移していきたいと考えています。